当事務所の解決事例

2021.07.26

【No.130】完治した50代兼業主婦の女性について、賠償金50万円の増額に成功した事例

相談者:女性Eさん
職業:兼業主婦
傷害の内容:胸部打撲、外傷性頚部症候群

項目名 依頼前 依頼後
治療費 660,000円 660,000円
通院費 10,000円 20,000円
入通院慰謝料 700,000円 923,158円
休業損害 160,000円 460,000円
過失相殺(5%) -76,500円 -103,158円
合計 1,453,500円 1,960,000円

 

背景

50代兼業主婦の女性Eさんは、四輪車を運転して公道を走行していたところ、右側の路外から右折のために道路に進入してきた四輪車に衝突される事故に遭いました。

Eさんは、胸部打撲、外傷性頸部症候群の怪我を負い、整形外科と接骨院に6カ月間あまり通院し、ほぼ完治しました。

弁護士の関わり

治療終了後、相手損保から示談提示を受けた段階で、ご依頼いただきました。

示談案の中身を拝見したところ、慰謝料の金額が裁判の基準と比較して低い金額になっていた外、休業損害が、主婦としての休業損害ではなく、実際にお仕事を休まれた分で計算されていました。

相手損保と交渉を開始したところ、相手損保の回答内容は、慰謝料については裁判をおこなった場合の80%、休業損害については主婦としての休業損害の発生をあくまで否定し、従前のとおり、実際に仕事を休んだ分の休業損害を計上する内容でした。

提示内容が、弁護士介入後も適正金額からは程遠いものであったことから、Eさんに確認し、交通事故紛争処理センターへの申立をおこないました。

申立から2カ月余りの期間を要し、慰謝料について裁判の基準どおり、休業損害について、主婦としての労働に当初60日間40%、次の60日間20%、次の80日間10%支障があったとして約46万円を計上する内容のあっせん案が示されました。

相手損保は、あっせん案の内容に抵抗し、あっせん案の金額から1万数千円を減じた130万円の丸い金額であれば支払える、という意向を示しました。

Eさん本人に確認し、止む無く、この130万円という金額で和解となりました。

所感

Eさんのケースでは、当初の相手損保の提示においては、Eさんが兼業主婦であるにも関らず、主婦としての休業損害が計上されておらず、そのために、休業損害の金額が非常に低額となっていました。

お仕事をされていた方であっても、夫や子ども、また親御さんなど、同居のご家族のために家事もされていて、事故の怪我でその家事に支障を受けた、という方は、主婦としての休業損害を請求することができます。

実際にお仕事を休んだ分の休業損害と、主婦としての休業損害は、二重に請求できるわけでは無く、どちらか高くなる方、を請求することになります。

もちろん、お仕事による収入があまりに高いと、主婦とは認められず、主婦としての休業損害を請求することはできないのですが、年収が、概ね、女性の平均賃金(とされる)388万円を下回っていれば、兼業主婦と認められる可能性は高いです。

Eさんのケースでは、年収が約220万円と、フルタイムと言える年収(時給1000円で1日8時間週5日間働くと年収約200万円になる)であったことから、弁護士介入後も、相手損保は主婦としての休業損害の支払を拒みました。

ただ、想定通り、紛争処理センター申立により、主婦としての休業損害が生じていることを前提としたあっせん案が示され、結果として、当初提示金額の1.6倍超の金額で和解することができました。

交通事故の被害に遭われた兼業主婦の方は、是非一度、当事務所にご相談ください。