当事務所の解決事例

2024.01.11

【No.234】11級7号認定の20代学生の女性について、賠償金1864万円の獲得に成功した事例

相談者:女性Kさん
職業:学生
後遺障害の内容:11級7号(脊柱の変形)

項目 獲得金額
治療費 5,070,000円
付添費 20,000円
入院雑費 30,000円
通院交通費 170,000円
休業損害 120,000円
傷害慰謝料 1,820,000円
装具等 320,000円
その他交通費 30,000円
後遺障害逸失利益 12,070,000円
後遺障害慰謝料 4,200,000円
合計 23,850,000円

 

背景

20代学生の女性Kさんは、交際相手の男性の運転する普通乗用自動車の助手席に同乗していました。Kさんの乗車した車が、公道を走行して、信号機のない交差点に至り、直進進行しようとしたところ、右側から同じく交差点を直進進行しようとした普通乗用自動車に衝突される事故に遭いました。なお、この衝突後、Kさん乗車車両は、左側から直進進行しようとした普通乗用自動車にも衝突されました。

Kさんは、事故直後に救急車で総合病院に搬送され、腰椎圧迫骨折、等の診断を受けました。Kさんは、救急搬送後、約20日間入院して治療を受け、退院後は、1年3カ月間にわたって通院し、症状固定となりました。

弁護士の関わり

当初、交際相手の方からご相談をお受けしました。

お話をうかがったところ、交際相手の方は1回しか通院しておらず弁護士介入の必要性は低かった反面、同乗されていたKさんは腰椎の圧迫骨折の怪我を負っているとうかがい、弁護士介入の必要性が高そうであったことから、Kさんにもご相談にお越しいただくことを、交際相手の方に対してお勧めしました。

そうしたところ、Kさんも当事務所にご相談いただきました。結局、Kさんからは、最初の相談から1年余り経過し、治療を終えられた時点でご依頼いただきました。

ご依頼いただいた後、後遺障害の申請を行ったところ、11級7号の脊柱変形の後遺障害の認定を受けることができました。

この後遺障害等級を前提に示談交渉を開始したところ、相手損保からは、既払い金を除き約1168万円を支払うとの示談提案がありました。

こちらの想定する金額との開きが大きかったため、交通事故紛争処理センターへの申立を行いました。

申立後は、相手損保の意見書に反論する形で、逸失利益等に関して主張する書面を提出しました。

最終的に、既払い金を除いて相手方がKさんに1864万円を支払うべし、とのあっせん案が示され、このあっせん案で和解が成立しました。

所感

Kさんのケースでは、相手損保は、示談交渉段階では、後遺障害に係る賠償金としては、Kさん車両、2つの相手方車両の合計3つの自賠責保険から支払われる小計993万円(11級の後遺障害自賠責保険金331万円×3)しか示談金として計上していませんでした。

11級の慰謝料420万円を差し引くと、後遺障害逸失利益については、573万円を計上していた計算になります。

この点、後遺障害逸失利益は、被害者の年収及び認定された後遺障害等級を基に計算しますが、これだけで一義的に決まるわけではなく、被害者の実際の業務内容や、認定された後遺障害の性質、後遺障害によって被害者が実際に業務に受けている影響等に鑑みて、個別具体的に判断されます。

Kさんのケースの紛争処理センターのあっせん案では、基礎収入を大卒女性平均賃金よりも高い看護師の平均賃金(Kさんが看護学生であったことから)とし、労働能力喪失率を10%、労働能力喪失期間を67歳までとする約1207万円が計上されていました。

Kさんのケースのように、後遺障害逸失利益は、考え方の違いによって金額が大きく変わってくる部分なので、後遺障害認定を受けられている方は、示談してしまう前に弁護士に相談されることを強くお勧めします。