当事務所の解決事例

2018.02.12

【No.046】10等級相当認定の10代学生の男性の賠償金約1475万円の獲得に成功した事例

相談者:男性Kさん(10代)
職業:学生
後遺障害の内容:3センチメートル以上の下肢長差(左下肢の過成長)
後遺障害等級:10等級相当

項目名 獲得金額
治療費 940,000円
付添費 350,000円
入院雑費 65,000円
通院交通費 5,000円
入通院慰謝料 1,880,000円
後遺障害慰謝料 5,500,000円
後遺障害逸失利益 12,180,000円
過失相殺(25%) -5,230,000円
合計 15,690,000

 

背景

事故当時、小学生だったKさんは、歩いて道路を横断しようとしていたところ、左方から走行してきた四輪車と衝突し、左大腿骨の骨折という怪我を負いました。Kさんは、事故当日に救急車で病院に搬送されてそのまま入院し、骨接合の手術を受けました。事故から約1ヶ月余り入院した後退院し、その後は通院していました。事故から約半年経過した時点で再度抜釘のために入院しました。その後も経過を観察しながら断続的に通院し、事故から約6年半後に症状固定となりました。

弁護士の関わり

事故から6年以上治療が継続していた状況で、今後の後遺障害申請及び損害賠償の交渉に当たって、適正な解決を図るために弁護士を入れたいとの思いから、弁護士にご相談いただきました。

ご依頼から1ヶ月余り後、主治医に後遺障害診断書を作成してもらって、後遺障害専門家の協力を得ながら、弊事務所を通して後遺障害の申請をおこないました。
結果、左脚の骨折した部分が、右脚と比較して3センチメートル以上成長して長くなっている、ということで、10等級相当の後遺障害の認定を得ることができました。

この後遺障害等級を前提に示談交渉を開始しました。

この点、相手保険会社は、後遺障害慰謝料を440万円、後遺障害逸失利益を289万円、全体の支払金額を、自賠責から支払われた461万円を併せても675万円とする 示談案を提示してきました。

当方の想定する損害額との開きが大きく、このまま交渉していても十分な金額を得ることは難しいと判断し、金沢にある交通事故紛争処理センターへの申立をおこなうこととしました。

交通事故紛争処理センター
http://www.jcstad.or.jp/

当方から、後遺障害逸失利益としてより大きな金額が認められるべきであるという主張を、参考書籍も添えておこなったところ、紛争処理センターの嘱託弁護士(被害者と保険会社の間に立つ中立公正な立場の弁護士)より、表記の内容のあっせん案が提出され、その内容で和解が成立しました。

結果として、弁護士介入後最初に出された示談案の2倍を超える賠償金額を獲得することができました。

所感

Kさんのケースで認定された後遺障害は、脚の長さに差が生じた、というものでした。後遺障害の類型によっては「その後遺障害によって、仕事ひいては収入に影響があるのか」疑問があるということで、労働能力喪失表どおりの後遺障害逸失利益が認められないケースがままあります。

実際、Kさんのケースでも、当初保険会社が提案してきた後遺障害逸失利益は、非常に少ない金額でした。

後遺障害が残らなかった場合や、認定された後遺障害が14等級など低い等級の場合には、数多くの裁判例の積み重ねがあり、また保険会社側も多くの示談を経験していることから、示談交渉でも、裁判をした場合とまったく同額やこれに近い金額の賠償金を得られる場合が多いです。
これに対して、10等級など、ある程度重い後遺障害、かつ、実質的にみて、果たしてどれだけ仕事に影響があるのか判断しづらい後遺障害の場合は、示談交渉で十分な金額を引き出すことは容易ではなく、交通事故紛争処理センターへの申立や訴訟が必要となるケースも少なくありません。
交通事故紛争処理センターへの申立は、訴訟と比較すれば時間もかからない一方で、法律・裁判例に基づいて適正と考えられる金額が見込めますので、弊事務所でもお勧めしているところです。
事故で重い怪我を負ってしまった、という方は、是非一度弁護士にご相談ください。