当事務所の解決事例

2019.07.13

【No.071】完治した40代会社員経営の男性について、賠償金・保険金83万円の獲得に成功した事例

相談者:男性Kさん(40代)
職業:会社経営
傷害の内容:頸椎捻挫

項目名 獲得金額
治療費 160,000円
休業損害 160,000円
入通院慰謝料 670,000円
合計 990,000円

 

背景

40代会社経営の男性Kさんは、自動車を運転してT字路の交差点に差し掛かり、直進しようとしたところ、交差道路(左側)から交差点に進入してきた車両に追突されるという事故に遭いました。Kさんは、この事故により、頸椎捻挫の怪我を負い、整形外科と接骨院に約4カ月間通院した後、幸いにも、後遺症を残さず完治しました。

弁護士の関わり

事故の7日後というかなり早い段階で、当事務所にご依頼いただきました。

受任後、まずは物損に関する示談を進めました。修理費用が車両時価額を超えてしまう経済的全損の事故で、Kさん3:相手方7という過失割合を前提に物損の示談は成立しました。

その後、相手共済との示談交渉を開始しましたが、並行して、Kさん自身の人身傷害保険から支払を得ることを検討しました。

すなわち、人身傷害保険金は、本来、被害者の過失分に充当されるべきものと考えられます。

Kさんのケースでは、Kさんにも過失が生じることが避けられなかったため、人身傷害保険の支払いを受けることで、この過失分を補填しようと考えたのです。

Kさん自身の保険に人身傷害保険金を請求した結果、約43万円が無事支払われたので、これを受領したうえで相手共済と示談交渉を開始しました。

そうしたところ、相手共済からは、過失相殺後の賠償金額から、受領済みの人身傷害保険金が差し引かれるべきであるとして、賠償金の残りは2万円余りという示談案が出されました。

これは、最高裁の判例に反する見解であることから、当方としてはこれを不服として、ADR(裁判外紛争解決)手続を取ることとしました。

ただ、本件では、相手方の保険が共済であったため、弊所において通常よく利用している、交通事故紛争処理センターを利用することができませんでした。

そのため、相手方の保険が共済である場合に利用できる、日弁連交通事故相談センターのあっせん手続の申立をおこないました。

あっせん期日が開催され、あっせん手続では和解が成立しなかったので、センターに判断を委ねる「審査」の提案をおこなったところで相手共済から和解提案がありました。

相手共済の提案は「既払い金を除いて、40万円を支払う」というものでしたので、依頼者と検討し、この内容で和解することとなりました。

所感

Kさんのケースでは、人身傷害保険をうまく使うことにより、Kさんの過失分についても保険で補填することができました。

この点、人身傷害保険金が被害者の過失分に充当されるべきもの、という考え方は、保険会社の担当者にもよく理解されていません。

Kさんのケースでは、裁判をすることなく、日弁連交通事故相談センターへの申立により、比較的早期に過失分の補填を得ることができましたが、結局、裁判をしないと、過失分の補填を得ることができない、という場合もあります。

事故の被害に遭ったが、自分にも過失が生じることが避けられない、という方は、是非弁護士にご相談ください。