当事務所の解決事例
2025.08.20
【No.313】1級1号認定の80代専業主婦の女性について、賠償金4057万円の獲得に成功した事例
相談者:女性Nさん
職業:専業主婦
後遺障害の内容:1級1号(既存障害9級10号)
項目 | 獲得金額 |
---|---|
治療費 | 710,000円 |
通院交通費 | 42,132円 |
入通院慰謝料 | 2,290,500円 |
休業損害 | 2,620,000円 |
入院雑費 | 240,000円 |
その他 | 2,800,000円 |
後遺障害逸失利益 | 10,560,000円 |
後遺障害慰謝料 | 24,390,000円 |
過失相殺(-5%) | -2,182,632円 |
合計 | 41,470,000円 |
背景
80代専業主婦の女性Nさんは、橋の上を歩いていたところ、Nさんから見て左前方の交差道路から右折してきた普通乗用自動車に衝突される、という事故に遭いました。
Nさんは、救急搬送された総合病院で、外傷性くも膜下出血、頭蓋骨骨折、局所性脳挫傷、等の診断を受けました。
その後、Nさんは、転院と一時的な退院を経つつ約半年間に渡って入院し、その後は月1回程度の訪問診療を受けながら、事故の約9カ月後に症状固定となりました。
弁護士の関わり
事故の約半年後に、お子さん方を通じてご依頼いただきました。
症状固定に至ったということで、後遺障害の申請を行ったところ、1級1号「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」の認定を受けました。なお、元々認知症の症状があったことから、これが9級10号「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」の既存障害と判断されました。
認定された、9級10号の加重障害としての1級1号、という等級を前提に賠償交渉を開始しました。
当初、相手共済の提案は、既払い金を除き約3516万円を支払う、というものでした。
当方提案と比較して低い提示だったので、交通事故紛争処理センターの申立や訴訟を検討しました。
ただ、センターの手続や訴訟の途中に、ご本人が亡くなられてしまった場合に、将来介護費の支払いを受けられなくなってしまうことも懸念されたため、お子さん方とよく検討し、示談交渉の枠内で解決を図ることとしました。
最終的に、相手共済の当初提示金額から約541万円増額を図り示談することができました。
所感
Nさんのケースでは、当事務所としては、相手共済の提示を受けて、示談交渉での解決ではなく、交通事故紛争処理センター又は訴訟手続をお勧めしたのですが、将来介護費の支払いを受けられなくなり当初提示よりも金額が下がることをご本人のお子さん方が危惧されたことから、最終的には示談交渉の枠内での解決を図ることとしました。
この点、事故の被害者が、事故後に、事故以外の原因で亡くなられた場合であっても、事故の賠償金の請求権は相続されます。消滅してしまうわけではありません。
ただ、将来介護費については、被害者が事故後亡くなられた場合には、支払を受けられない、と判断された最高裁判例が存在します。
当事務所では、弁護士としてお勧めする選択肢や、その選択肢のリスクについて、依頼者にお伝えしたうえで、依頼者と協議し、最終的には依頼者の意向に沿って手続を踏んでいきます。
事故に遭われて怪我をされた方は、当事務所にご相談ください。