当事務所の解決事例
2021.03.10
【No.115】14級9号認定の70代会社役員と40代会社員男性の父子について、お父さん275万円、息子さん350万円の獲得に成功した事例
相談者:男性Yさん(70代)
職業:会社役員
後遺障害の内容:14級9号
相談者:男性Yさん(40代)
職業:会社員
後遺障害の内容:14級9号
項目名 | お父さん | 息子さん |
---|---|---|
治療費 | 520,000円 | 590,000円 |
通院交通費 | 15,000円 | 35,000円 |
文書料 | 5,000円 | 5,000円 |
傷害慰謝料 | 800,000円 | 800,000円 |
休業損害 | 0円 | 340,000円 |
後遺障害慰謝料 | 1,050,000円 | 1,050,000円 |
後遺障害逸失利益 | 880,000円 | 1,270,000円 |
合計 | 3,270,000円 | 4,090,000円 |
背景
40代会社員の男性Yさんは、助手席にお母さんを、助手席後部座席に70代会社役員のお父さんを乗せて、四輪車を運転して公道を走行し、赤信号で停車していたところ、後ろから走行してきた四輪車に衝突される事故に遭いました。
Yさんら家族さんは、受診した急患センターで、いずれも、頸椎捻挫、腰椎捻挫の診断を受けました。
Yさんら家族は、お母さんは整形外科に4カ月ほど通院したことでほぼ完治したのですが、お父さんと息子さんは、整形外科に約6カ月間通院した後、症状を残して固定となりました。
弁護士の関わり
以前にも、事故でご依頼いただいていたこともあり、事故の約10日後の段階でご依頼いただきました。
まず、被害車両について、評価損害、いわゆる格落ち損を請求することとしました。
すなわち、初年度登録から概ね3年以内の新車であれば、損傷の状況にもよりますが、修理費用の外に、修理費用の10~30%程度の評価損害(格落ち損)を獲得できる可能性が高いです。
Yさんの被害車両は、事故時点で初年度登録から28カ月程度の経過で、概ね3年以内の範囲に入っていたため、まずは、請求をおこなってみることとしました。
当方からの評価損害請求に対し、相手損保からは、評価損害については認められない、という回答がなされたことから、物損に関して、交通事故紛争処理センターへの申立をおこないました。
センターへの申立の結果、修理費用の1割、3万5000円ではありますが、評価損害を獲得することができました。
物損に関する交渉・センターへの申立と並行して、Yさんら家族は、治療に専念されていました。
お母様については、通院4カ月ほどでほぼ完治された、ということで、慰謝料と主婦としての休業損害合わせて97万円で示談となりました。
お父さんと息子さんについては、6カ月間通院しましたが、頚部痛、手のシビレ等の症状が残ったことから、後遺障害の申請をおこなったところ、両者について、14級9号の後遺障害の認定を得ることができました。
認定された後遺障害等級を前提に賠償請求をおこなったところ、相手損保からは、お父さんについて195万円、息子さんについて270万円を支払うという内容の示談案が提案されました。双方とも、自賠責保険から先に支払われた後遺傷害分75万円を除いた金額です。
この示談案は、当事務所のこれまでの経験上も、示談交渉で到達できる上限に近い金額と考えられたことから、人損についても交通事故紛争処理センター等次の手続に歩を進めるか、 Yさんらと検討したところ、早期解決を優先されるということで、示談交渉の枠内で解決を図ることとなりました。
最後の一押しの交渉により、お父さんについて200万円(自賠責分合わせて275万円)、息子さんについて275万円(自賠責分合わせて350万円)の支払を得るという内容で、示談締結となりました。
所感
Yさんら家族のケースで、特に、息子さんについては、本件事故の約2年前にも事故に遭われ、その時にも、頚部痛及び左手の痛み等の症状について、14級9号の後遺障害の認定を受け、後遺障害等級に応じた賠償金の支払を受けていました。
自賠責保険の後遺障害等級の仕組みとして、以前に後遺障害認定を受けていた場合、同じ部位については、同じ等級の後遺障害の認定を受けることはできない、ということになっています。
以前に後遺障害の認定を受けた部位に関して、以前の事故と同程度の症状が残ってしまった場合、慰謝料や逸失利益の支払を得るには、訴訟を起こして裁判所に判断してもらうしかないのですが、訴訟を起こしても、なかなか獲得は難しいのが現実です。
Yさんの息子さんのケースでも、以前に頚部痛について14級9号の認定を受けていたので、当初から、首の症状で後遺障害認定を受けることはできないことが見込まれていました。
ただ、今回の事故で生じた、右腕から手のシビレの症状が、頚部に端を発するものながら、前回事故で認定された頚部痛とは別の部位の症状とみなされ、14級9号の認定を得ることができ、後遺障害に関する慰謝料、逸失利益も、ほぼ裁判をおこなった場合の満額の支払を得ることができました。
以前にも交通事故に遭われたことがあり、また交通事故に遭ってしまった、という方は、できるだけ早い段階で、是非一度、当事務所にご相談ください。