当事務所の解決事例

2020.04.14

【No.086】後遺症を残さず完治した20代兼業主婦の女性について、賠償金52万円の増額に成功した事例

相談者:女性Hさん(20代)
職業:兼業主婦
傷害の内容:頸椎捻挫等

項目名 ご依頼前 ご依頼後
治療費 120,000円 120,000円
入院雑費 3,300円 4,500円
休業損害 110,000円 250,000円
傷害慰謝料 350,000円 850,000円
過失相殺 0円 -120,000円
合計 583,300円 1,104,500円

 

背景

20代で夫と二人暮らしであった兼業主婦の女性Hさんは、自動車を運転して、信号機の無い交差点を直進進行中、右側のわき道から飛び出してきた相手方車両と衝突する事故に遭いました。Hさん側の道路は、交差点の真ん中まで中央線の走っている、優先道路でした。

Hさんは、この事故により、頸椎捻挫等の怪我を負い、総合病院に3日間入院後、整形外科に5カ月の間通院し、ほぼ完治しました。

なお、Hさんの車両の修理費用は、約140万円という高額に上ったため、Hさんの車両保険を使用して修理をおこないました。

弁護士の関わり

治療終了後、相手損保から示談の提示を受けた段階で、弊所にご相談いただきました。

示談案を拝見したところ、通院慰謝料については、いわゆる裁判の基準と比べてかなり低額の提示となっていました。また、休業損害が、お仕事の分だけしか計上されておらず、主婦としての休業損害が、一切計上されていませんでした。

ご依頼後、交渉を開始し、慰謝料については裁判をおこなった場合の基準の満額が計上されている反面、休業損害についてはあくまでお仕事の分しか計上されていない、という示談案が、示談交渉段階における限界の案として提示されました。

ご本人と相談のうえ、この示談案を不服とし、交通事故紛争処理センターへの申立をおこないました。

センター申立後も、相手方損保は、休業損害についてはあくまでも争う姿勢を見せ、「休業の必要性が無かった」ことを指摘して、示談交渉段階よりもむしろ低い金額での和解を提案してきました。

これに対し、当事務所弁護士から、裁判例や交通事故紛争処理センターの裁定例などを示し、仕事に復帰した後の期間についても、主婦としての休業損害が認められるべきである旨を主張し、センターの嘱託弁護士に対し、あっせん案の提示を求めました。

そうしたところ、一定期間について、主婦としての休業損害が認められたあっせん案が示され、このあっせん案でもって和解成立となりました。

所感

弁護士介入前には、相手損保の提示には、主婦としての休業損害が一切計上されていませんでした。

弁護士から、「有職者であっても、同居家族がいて家事もおこなっていた場合は、主婦としての休業損害が認められるべきである」と主張し、主婦休損を請求しましたが、弁護士介入後も、相手損保はこれを受け入れませんでした。

お仕事をされている方の主婦休損は、こちらから積極的に言わなければ、まず支払われることはありません。

かつ、本件のように、弁護士を入れて交渉した場合でも、なかなか支払いを得られない場合もあります。

本件では、お時間を要しましたが、交通事故紛争処理センターへの申立をおこなうことで、あくまで主婦としての休業損害の支払いを求めた結果、お仕事の分の休業損害の2倍を超える金額の休業損害を得ることができました。慰謝料増額分も含め、ご依頼前の金額の2倍を超える金額で和解することができました。

仕事をしながら家事をおこなっていたのに、主婦としての休業損害が一切計上されていない、という方は、是非一度、ご相談ください。